ピッチャーが得意とするバッター・苦手とするバッター、バッターでも得意とするピッチャー・苦手とするピッチャーというのがあります。
プロ野球ファン、特にパリーグファンの間では、ソフトバンクホークスの松田宣弘選手が西武ライオンズの十亀剣投手を得意(十亀投手が松田選手を苦手)としていることは有名です。
あまりにも十亀投手が松田選手に打たれているため、「前世に十亀は松田に助けられて、今世で恩返ししている」という、いわゆる「十亀の恩返し」として語られています。
今回は、
・物語「十亀の恩返し」
・2018年までの対戦成績
・対戦打席のホームラン全9本の動画
を紹介したいと思います。
物語「十亀の恩返し」
前述のとおり、十亀投手が松田選手に打たれているのは、「前世の恩を返すために敢えて打たれている」という物語がネットでよく使われています。
それが下記のお話。
昔話「浦島太郎」のカメを助けた話をモチーフにしています。
むかしむかし、ある村に、心のやさしい松田宣浩(まつだのぶひろ)という若者がいました。
松田さんが海辺を通りかかると、子どもたちが大きな十亀を捕まえていました。
そばによって見てみると、子どもたちがみんなで十亀をいじめています。
「おやおや、かわいそうに、逃がしておやりよ」
「いやだよ。おらたちが、やっと捕まえたんだもの。どうしようと、おらたちの勝手だろ」
見ると十亀は涙をハラハラとこぼしながら、松田さんを見つめています。
松田さんはお金を取り出すと、子どもたちに差し出して言いました。
「それでは、このお金をあげるから、おじさんに十亀を売っておくれ」
「うん、それならいいよ」
こうして松田さんは、子どもたちから十亀を受け取ると、
「大丈夫かい? もう、捕まるんじゃないよ」
と、十亀をそっと、狭山湖の中へ逃がしてやりました。
「狭山湖」というのは、所沢の埼玉プリンスドーム(西武ドーム)の近くにある湖です。
そして物語は現在(というか試合での対戦)になって、、、
マウンド上十亀(聞こえますか・・・松田さん、松田さん)
バッターボックス松田「ん?」
十亀(次の球は甘いスライダーです・・・かっとばしちゃってください)
松田(なんだと)
十亀(いきますよ、松田さん・・・!)ビュッ ヘンガオー
松田(!!)カキーン
実況「いっとぁー!こーれは間違いなくいっとぁー!」
松田(何で君はそこまでしてくれるんだ、もうあれは前世紀のことじゃないか)
十亀(いいんですよ、松田さん・・・あの恩は忘れません)
松田(ありがとう、十亀くん・・・!)アツオー
これがよく使われて、最近では「十亀(聞こえますか・・・松田さん、松田さん)」の一行だけで通じています(笑)
2018年までの対戦成績
ちなみに十亀投手ですが、主に先発投手として投げており、初登板した2012年から2018年シーズンまでの通算成績は、
179試合(46勝41敗) 防御率3.87 被本塁打70本
先発投手としてはもう少し勝ち星が欲しいところですが、防御率はまずまず良い方ではないでしょうか。
さて、ではこの十亀投手から松田選手がどれくらい打っているか対戦成績(2012~2018)を見てみると、
43打数26安打 打率.604 9本塁打
打ち過ぎです(笑)
得意としている投手としても打率6割は凄いです。
シーズン別で見てみると。
2012 .000(0-0)1四球
2013 .750(4-3)1二塁打
2014 .667(6-4)2本塁打
2015 1.00(6-6)1本塁打 1二塁打
2016 .400(5-2)1二塁打 2四球
2017 .571(7-4)1本塁打 1二塁打 2四球
2018 .500(14-7) 5本塁打 3四球
2015年は打率10割!
2018年はホームラン5本!
全ホームランのうち、半分以上が今年です。
今年は前半が不調という事もあって打率は.248でしたがホームランは32本と量産。
十亀選手と対戦する時は、不調は関係ないようですね。
十亀投手は通算被本塁打70本のうち9本が松田選手から打たれています。
2018年シーズンの被本塁打は16本、そのうち5本が松田選手。。。
対戦打席のホームラン全9本の動画
ではこれまでの全ホームランを見てみましょう。
1本目 2014/04/08
このホームランが最初だったんですね。
9回表2死からの逆転ホームラン!
この試合はテレビ中継で観ていて、とても印象に残っていました。
2本目 2014/06/29
キャッチャーは外に構えましたが、カーブがど真ん中に来ちゃっていますね。。。
3本目 2015/08/14
ストレートが松田選手の得意な高めに来ていますね。
十亀投手からの打って初めての「熱男ー!」&初ホームランテラスです。
4本目 2017/05/04
逆転ツーランホームラン!
川崎選手も大喜びです!
5本目 2018/04/03 ここから2018年5発です!
実況が「こんな数字存在するのか」と前置きして紹介していますが、この試合前の通算対戦成績は
28打数 19安打 4本塁打 打率.679
だったそうです。
2018年シーズン終了後は
43打数 26安打 9本塁打 打率.604
ずいぶん成績が悪くなりましたなぁ(錯乱)
6本目 2018/04/26
勝ち越しの3ラン!
7本目 2018/05/09
実況が「問題はこの松田です」と言った瞬間に打たれています。
8本目 2018/07/17
9本目 2018/08/25
この試合は、先制タイムリーも放っています!
以上になります。
どれも、難しい球を上手く打ったというよりも、松田選手の得意なところに甘い球が来てしまって打たれてしまった、という印象を受けます。
ちなみに、10月17日に行われたクライマックスシリーズ ファイナルステージ第1戦。
西武4-7ソフトバンクで迎えた、7回表無死1,2塁の場面、十亀投手が中継ぎで投げていましたが、次のバッター 松田選手が打席に立つ前に、さすがに平井投手に交代されていました。
来シーズンも十亀投手が、特に先発登板であれば、またこの対戦を多く見ることが出来るでしょうね。
2019年はいったいどんな打席がみれるでしょうか。
ファンもより一層期待していると思います。
楽しみですね。